言葉がグルグル

出水薫(いずみかおる)の断片

「事実」について(1)

「事実」は「ある」のではない。発掘の比喩で考えるのは筋が悪い。しかし日常的な話法では、「事実」は「ある」ものとして語られがちだ。

「事実」は共有を前提に語られるもの。誰にも語られない事象は、「事実」とは呼べない。

「事実」については、裁判の比喩がもっともしっくりくるのではないか。共有できるよう、語り合い、示しあって、「事実」を編み上げる。